「月とライカと吸血姫」感想と評価 極上のボーイ・ミーツ・ガールのSF作品がここに!
「月とライカと吸血姫(ノスフェラトゥ)」というライトノベルを知っていますか?
この作品は、『ガガガ文庫』で出版されているラノベです。
ちなみに、「このライトノベルがすごい!2018」で第3位に輝いた作品です。
今回は、「月とライカと吸血姫」の評価と感想を紹介していこうと思います。
この機会にぜひ、この作品について知っていただければと思います。
「月とライカと吸血姫(ノスフェラトゥ)」の評価と感想
INDEX
画像は【ガガガ編集部ログ】より引用
ずっとこの物語に浸っていたいと思えるけど、クライマックスの”ドキドキ”がたまらない!
「牧野圭祐」先生の「月とライカと吸血姫」。
この作品は、1巻1巻それぞれに”ドラマ”があって、クライマックスまでの文章の構成などは本当に素晴らしいの一言でした。
毎巻手に汗握る思いで読ませてもらっています。
宇宙開発のお話なのですが、宇宙開発の裏側では欲にまみれたものがいっぱいあって、でもその中でも”宇宙飛行士”として宇宙に焦がれる一人の青年と吸血鬼の少女の想いに感情移入してしまいますよ。
また、3巻からの連合王国側視点においても”技術者”としての二人の姿が描かれており、そこでも様々なドラマが待ち受けています。
そのような作品なのですが、私がこの作品を読んでいて一番思ったことは、そんな必死で夢を追いかける彼らを応援したくなるようなそんな気持ちにさせてくれるということです。
また、ずっとこの物語に浸っていたいと思えるのですが、先述した通り手に汗握る思いで最後のクライマックスは気付いたら読み終わっていたくらい夢中にさせてくれました。
読了後の満足感も文句なしです!
ちなみに、管理人は実はあまりこのようなジャンルのライトノベルを読んだことがなかったので、どうなのかなと思っていたのですが、逆に新鮮に感じられましたし、かなり読みやすかった印象です。
宇宙開発と言っても、難しい用語などほぼ出てこないし、読みやすい”ボーイ・ミーツ・ガール”の作品なので、ぜひ手に取って頂きたいです。
イラストに関して、イラストレーターは、「かれい」先生が担当しています。
こうして表紙のイラストを見ていると、本当に風情がありますよね。
個人的に見て欲しいと思ったのは「イリナ」の表情で、ページをめくる度に、表情豊かになっていく「イリナ」を見ているとなんだか読んでいるこっちが嬉しくなってくるし、クライマックスでは、「頑張れ!成功しろ!」と心の中で思ってしまいます。
また、3巻の表紙は1,2巻の表紙とちょっと違ったイラストだったのですが、この表紙のイラストもこれはこれで「美しい……」と感慨深く思ってしまいましたね~
本当に最高の作品です!
そんな「月とライカと吸血姫」の評価は、当然10点中10点です。
ここから「月とライカと吸血姫」の主なストーリー、登場人物の紹介をしていきます。
「月とライカと吸血姫(ノスフェラトゥ)」の主なストーリー
東の『ツィルニトラ共和国連邦』、西の『アーナック連合王国』、二つの超大国は、誰の領土でもない宇宙を狙い、熾烈な”宇宙開発競争”を繰り広げていた。
そして、そんな両大国の最大の悲願は、今では”先に人類を宇宙へ到達させること”へと変わっていった。
そんな宇宙開発競争が繰り広げられる時代を『共和国連邦』側視点と『連合王国』側視点で物語は、語られていきます。
『ライカ44』、そこは『共和国連邦』が機密で宇宙開発をしている拠点である。
宇宙飛行士補生生の補欠である「レフ」は、唐突に「スラヴァ・コローヴィン」から呼び出しを受ける所から物語は始まります。
「スラヴァ・コローヴィン」とは、ロケット開発主任であり、そんな彼の口から、”吸血鬼”のマネージャーをするようにと言い渡されることになります。
なぜそのような事を「レフ」に伝えられたかというと……。
人類を打ち上げる計画『ミェチタ計画』を進める前に、”吸血鬼”を実験体として無重力空間に送り込む『ノスフェラトゥ計画』が決定していたからだ。
『ノスフェラトゥ計画』とは、『共和国連邦』の西隣に住む”吸血鬼”を実験の”モノ”として宇宙に送り込むという計画であった。
そして、その計画に選ばれたのが「イリナ・ルミネクス」という”吸血鬼”の少女であった。
そんな「イリナ」は、「レフ」の指導の下、過酷な特殊訓練を受け、宇宙へと飛び立つ運命の日までの道のりを歩むことになっていきます。
でも、最初の二人の関係はというと……。
「イリナ」は人間を嫌い、方や「レフ」は「吸血鬼」を恐れるという歪な関係であって、しかし、そんな二人は互いのことを知っていくにつれて……。
「月とライカと吸血姫(ノスフェラトゥ)」の登場人物
『ツィルニトラ共和国連邦』の登場人物
- ある事件で宇宙候飛行士補生生の補欠となった「レス・レプス」
- ”吸血鬼”の少女「イリナ・ルミネクス」
- 「イリナ」のデータ採取係「アーニャ・シモニャン」
- ロケット開発主任「スラヴァ・コローヴィン」
- 宇宙飛行士候補性の指導教官「ヴィクトール中将」
- 宇宙飛行士候補性のエース「ミハエル・ヤシン」
- 女性の宇宙飛行士候補性「ローザ・ブレヴィツカヤ」
- 共和国の最高指導者「フョードル・ゲルギエフ」
- 「ゲルギエフ」の側近「リュウドミラ・ハルロヴァ」
『アーナック連合王国』の登場人物
- オペレーション部門の新人職員、宇宙飛行士に兄がいる「バート・ファイフィールド」
- 『Dルーム』の室長、”新血種族”の才媛「カイエ・スカーレッド」
- ANSA本部の広報部員「ジェニファー・セラーズ」
- 『Dルーム』の室員、”新血種族”の女性「ミア・トリアドール」
- ”七人の飛行士の一人”、「バート」の兄「アーロン・ファイフィールド」
ここまでが「月とライカと吸血姫」の主なストーリー、登場人物の紹介でした。
「月とライカと吸血姫」アニメ化されるとしたらどんな展開?
「月とライカと吸血姫」はアニメ化して欲しい作品で、個人的には、かなり気に入っているライトノベルです。
さて、ここからそれぞれの巻について、簡単に紹介していこうかと思います。
「月とライカと吸血姫」1巻の主な内容
いまだ有人宇宙飛行が成功していなかった時代。ツィルニトラ共和国連邦の最高指導者は、人間をロケットで宇宙に送り込む計画を発令。その裏では、実験飛行に人間の身代わりとして吸血鬼を使う『ノスフェラトゥ計画』が進行していた。閉鎖都市で訓練に励む宇宙飛行士候補生のレフは、実験台に選ばれた吸血鬼の少女、イリナの監視係を命じられることになる。上層部のエゴや時代の波に翻弄されながらも、ふたりは命懸けで遙か宇宙を目指す。宇宙に焦がれた青年と吸血鬼の少女が紡ぐ、宙と青春のコスモノーツグラフィティ。
最大の難関、高度7000メートルからのパラシュート降下!?
「イリナ」が宇宙へ向かう過程で、彼女は様々な過酷な特殊訓練をしていくことになる。
その中でも、7000メートルからのパラシュート降下は高所恐怖症である「イリナ」にとって、厳しいことであって……。
また、「イリナ」の特殊訓練に同席する「サガレヴィッチ副長官」は、彼女を完全に”もの”として扱う偏屈な人間であり、そのことが後に大きな問題となってしまう。
なんとしてでも宇宙へ行きたい「イリナ」の想い
宇宙へ飛ばされた後は、成功したとしても後の人生は約束されていない。
しかし、そんな彼女は宇宙へ行きたいという確かな秘めたる想いがあった。
そんな宇宙へ飛び立つ運命の日がやってくるまで、刻一刻と日にちが過ぎ去っていく中、「イリナ」と「レフ」は悲惨な出来事を目にしてしまうことになる。
宇宙へ飛び立つ前に起きた、二人への精神的な大きなダメージ……。
「イリナ」は、果たして無事宇宙へたどり着き、そして地球に戻ってくることができるのだろうか?
”ドキドキ”が止まらなくなるクライマックスをぜひ味わって欲しい! 管理人が今、絶賛している作品なのでぜひ読んでみて下さい。
【管理人のオススメ度】
★★★★★★★★★★
「月とライカと吸血姫」2巻の主な内容
『ノスフェラトゥ計画』の一件を評価されたレフは、実験体の吸血鬼イリナを監視する任務から解かれ、晴れて宇宙飛行士候補性に復帰。「人類史上初の宇宙飛行士」の座をかけた選抜試験に挑む、ライバル達と鎬を削る。一方、イリナに不穏な空気が忍び寄る。「実験体は用済みであろう。廃棄処分を」。昼と夜、すれ違う二人の運命は。―宇宙開発の黎明期であり、最前線。様々な思惑に翻弄されながらも、命懸けで遙か宇宙を志すふたりがいた。宇宙に焦がれた青年と吸血鬼の少女が紡ぐ、宙と青春のコスモノーツグラフィティ第二幕。
史上初の宇宙飛行士になるために!!
『ノスフェラトゥ計画』の結果から、「レフ・レプス」は宇宙飛行士候補性に再昇格し、”選抜試験”に挑むことになる。
その試験で『ミェチタ計画』に参加する正式な宇宙飛行士を6人『夢の六人(ミェチタ・シェステ)』を決定し、うち上位3名は春に予定されている有人飛行の搭乗者候補として選定されることになります。
そして「レフ」は、”選抜試験”に挑むことになるのだが、史上初の宇宙飛行士という『共和国』が思い描く”英雄”の本質をまるで理解出来ないということを後に知ることになる。
史上初の宇宙飛行士になるということは、『共和国』のために人生をなげうち、大切な人を犠牲にするという選択を迫られるということを……。
「イリナ・ルミネクス」はこれから『設計局』の技師になることに!!
「イリナ」が『ノスフェラトゥ計画』を完遂し、「レフ」の脳裏によぎるのは”実験体の廃棄処分”、すなわち、「イリナ」の”死”を意味していた。
「レフ」が不安に思う中、「イリナ」の功績が認められ、彼女は『設計局』に勤めることになると「レフ」は告げられる。
しかし、そのことは”真実”ではなかった。
「レフ」が”選抜試験”で集中して臨むためについた「イリナ」の”嘘”であった。
「レフ・レプス」は果たして、宇宙飛行士に選ばれ、そして夢の宇宙へと辿り着くことはできるのだろうか?
また、「イリナ・ルミネクス」のこれからはどうなっていくのだろうか?
葛藤する「レフ・レプス」の姿、そして「イリナ・ルミネクス」の想い、感動の2巻をぜひ!!
【管理人のオススメ度】
★★★★★★★★★★
「月とライカと吸血姫」3巻の主な内容
有人宇宙飛行で共和国に敗北を喫した連合王国は、名誉挽回のための新計画『アーナック・ワン』を始動。民族融和と科学技術大国推進を打ち出す広報プロジェクトだ。新人技術者のバートは王国初の宇宙飛行士の弟であることを理由に、広告塔へ選出されてしまう。パートナーは吸血鬼の末裔、カイエ。バートは不慣れな業務をカイエとともにする中で、彼女の秘めたる想いを知っていく。「私は月なんて大嫌い」。――これは華々しい宇宙飛行の裏側に存在した、語られることなき地上の星々へ送る英雄譚。宙と青春の物語、連合王国編始動。
”有人軌道飛行”に注力した『プロジェクト・ヘルメス』の始動!
”史上初の有人宇宙飛行”に成功した『ツィルニトラ共和国連邦』、このニュースは”レプス&ルミネクスショック”として世界に大きな衝撃を与え、宇宙開発競争をしている『アーナック連合王国』に大きなダメージを与えた。
『アーナック連合王国』はその後、”七人の飛行士の一人”である「アーロン・ファイフィールド」が初めて、宇宙への弾道飛行を果たすも、「レフ・レプス」の軌道飛行に比べると見劣りするものであった。
劣勢を強いられることになった連合王国は、「我々は、六〇年代が終わるまでに月面へ人類を着陸させ、帰還させることを目標とする」という大きなプロジェクトを強硬し、有人軌道飛行に注力する『プロジェクト・ヘルメス』を発表した。
しかも、その『プロジェクト・ヘルメス』に伴って、”とある重要なプロジェクト”も予定されており……。
『プロジェクト・ヘルメス』に伴って、『アーナック・ワン』の始動! 広告塔になった「バート」と「カイエ」
「バート・ファイフィールド」、彼は幼い頃からの夢『プロジェクト・ヘルメス』にオペレーション部門として、今日配属される予定であり、そのためこれから待っている仕事に胸をときめかせていた。
そして「さあ――行くぞ……!」と自らを奮い立たせ、研究所に入るも、”七人の飛行士”である英雄である兄「アーロン」の名前ばかりが飛び交い、誰も「バート」と呼ぶ者はいなかった。
その上、その部屋に「バート」の席はなく、コンピューターを扱う『Dルーム――デジタルコンピューター・ルーム』にあると「ブライアン・デイモン」部門長から告げられることになり……。
「バート」は、これまで一切コンピューターを扱ったことはなく、また、『Dルーム』は人間に敬遠されている場所でもあった。
なぜなら、そこは『新血種族』の女性職員のみで構成されているからで、『アーナック連合王国』では、『新血種族』と人間の間に大きな隔たりがあり、人間は『新血種族』に対して差別的で、『新血種族』もまた、人間のことを快く思っていないというのが今の現状であった。
不安がありつつも『Dルーム』へと訪れようと思った「バート」であったが、室長をしている「カイエ・スカーレット」と再会することになり……。
そうして「バート」は、不慣れなコンピューターの仕事に苦戦続きの毎日を送ることになるのだが、そんな時、『ANSA』の職員「ジェニファー・セラーズ」から『アーナック・ワン』という新規プロジェクトに「バート」と「カイエ」に参加するよう告げられることになります。
そのプロジェクトとは、民族融和と科学技術大国推進を打ち出す広告プロジェクトであり、「アーロン」の弟という理由から、広告塔として「バート」が選出されたのであった。
『プロジェクト・ヘルメス』に加えて、『アーナック・ワン』の広告プロジェクトまで渋々参加することになった「バート」であったが、そのプロジェクトの最中に「カイエ」の想いを知ることになり……。
周囲の同調によって自分の本当の”夢”と向き合うことができない「カイエ」の葛藤、兄と比べられ、自分を卑下する「バート」の宇宙への渇望、”技術者”としての二人の物語が今、語られます!
クライマックスには毎巻、手に汗握る思いで読むことができるので、気になった方はぜひ読んでみて下さい。
【管理人のオススメ度】
★★★★★★★★★★
以上、「月とライカと吸血姫」についてでした。
後の巻は、出版され次第、更新していくと思います。
ぜひ、感動できる作品なので、読んでみて下さい。
「ここまで読んでくれた方、ありがとうございました<(_ _)>」