「六人の赤ずきんは今夜食べられる」感想と評価 世界観、話の設定は文句なし!
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おすすめライトノベル シリアス, ファンタジー, ミステリー, ガガガ文庫, 小学館ライトノベル大賞, 童話, パニックホラー
「六人の赤ずきんは今夜食べられる」というライトノベルをご存じでしょうか?
この作品は、『ガガガ文庫』で出版されているライトノベルです。
ちなみに、「第12回小学館ライトノベル大賞〈優秀賞〉」を受賞した作品です。
今回は、「六人の赤ずきんは今夜食べられる」の評価と感想を紹介していきます。
この機会にぜひ、この作品について知っていただければと思います。
「六人の赤ずきんは今夜食べられる」の評価と感想
INDEX
画像は【ガガガ文庫公式twitter】より引用
世界観、話の設定は文句なし! オオカミに追い詰められる赤ずきんたちにドキドキハラハラさせられる?
「氷桃甘雪」先生の「六人の赤ずきんは今夜食べられる」。
シリアス要素もあり、ミステリー要素もありで、ドキドキハラハラさせられましたよ~
この作品は、赤い満月の夜に現れる強靱な肉体と知性を兼ね備えた『ジェヴォーダンの獣』から六人の『赤ずきん』たちを猟師である私が籠城戦を繰り広げるというパニックホラー×ミステリー作品となっております。
赤ずきんたちがオオカミに少しずつ少しずつ追い詰められていくシーンはなかなか読み応えがありましたし、また、その赤ずきんの中にも裏切り者がいたりして、さらに読みたい気持ちが強くなりましたね~
また、個人的に一番良かったと思った点が世界観と話の設定でした。
童話をモチーフにしている点はなかなか斬新だと思いましたし、オオカミと赤ずきんの関係性についても「うまく話の設定がなされているなぁ~」と思いながら読んでいました。
ただし、話の展開についてはもう少しドキドキ感、ハラハラ感が欲しかった……、というのが正直な感想でした。
後半の展開、または、ミステリー要素がもうちょっと強かったら、かなり良かったのかなと思ったりして……。
イラストに関して、イラストレーターは「シソ」先生が担当しています。
六人の赤ずきんが全員可愛い!……、と言いたいところなのですが、キャラクター性を見るとこちらも少し弱かったのかなと思います。
でも、新人賞らしいといえば新人賞らしい作品なので、気になった方はぜひ読んでみて下さいな!
そんな「六人の赤ずきんは今夜食べられる」の評価は、10点中8点です。
ここから「六人の赤ずきんは今夜食べられる」の主なストーリー、登場人物の紹介をしていきます。
「六人の赤ずきんは今夜食べられる」の主なストーリー
「この辺りにはオオカミが出ます」
猟師である私は老人からそのような事を聞き、さらにそのオオカミは、牛よりも大きく、熊よりも凶暴で、人間よりも賢いらしい。
そんなオオカミなどいるはずがないと思っていた猟師であったが……、そのオオカミは現にここにいる……、名は『ジェヴォーダンの獣』。
『ジェヴォーダンの獣』は、年に一度、赤い満月の夜に現れ、森に棲む少女だけを喰らうとのこと。
その森に棲む少女たちというのは、『善き魔女』の末裔とされる『赤ずきん』のことであり、彼女らは世にも不思議な秘薬を作ることができた。
そんな赤ずきんたちは皆年端もいかない少女たちであり、毎年何人もの赤ずきんが犠牲になっているのが現状であった……、たとえどんな対策をしたとしても……。
「『塔』をお借りします」
そのような事を聞いた猟師であったが、塔を使って籠城しようと考えていた……、六人の赤ずきんたちを守るために……。
しかも、その塔は『魔女の塔』とも呼ばれ、厳重に今まで封印されているとのことであった。
今日、私は贖罪を果たす。死に向かう少女たちを救い、怪物を殺すことで。
あの時はたった一人の少女すら救えなかった……、猟師は”あの日”の事を振り返り、今の私はあの日の私ではないという覚悟の下、彼女たち赤ずきんを死なせないため、ジェヴォーダンと籠城することを決意するのであった。
「六人の赤ずきんは今夜食べられる」の登場人物
- 過去に犯した罪への贖罪を求めて旅をしている「猟師(りょうし)」
- あらゆるものの匂いを消す秘薬を生成できる「バラずきん」
- 一時間だけ他の生物に変身する秘薬を生成できる「リンゴずきん」
- ものを透けさせる秘薬を生成できる「紅茶(こうちゃ)ずきん」
- ものを粉々にする秘薬を生成できる「ザクロずきん」
- どんな条件下でも自然発火する秘薬を生成できる「チューリップずきん」
- 人の体温に反応して硬化する秘薬を生成できる「ツバキずきん」
ここまでが「六人の赤ずきんは今夜食べられる」の主なストーリー、登場人物の紹介でした。
「六人の赤ずきんは今夜食べられる」どんな展開のストーリー?
「六人の赤ずきんは今夜食べられる」はどんな展開なのか、簡単に紹介していこうかと思います。
「六人の赤ずきんは今夜食べられる」の主な内容
名声のために罪を犯した過去を恥じ、今は猟師として各地を旅する「私」。ある日、訪れた村で奇妙な警告を受ける。「森には秘薬を作れる『赤ずきん』が棲んでいる。赤い月の夜、彼女たちはオオカミの化け物に喰い殺されるが、決して救おうとしてはならない」。少女らと対面した「私」は、警告を無視して護り抜こうと決意する。だが、そのとき「私」は知らなかった。その化け物が、想像を遙かに超えた恐ろしい生き物だということを。そして、少女たちの中に裏切者がいることも――。第12回小学館ライトノベル大賞・優秀賞受賞作。
特殊な秘薬を生成することのできる六人の『赤ずきん』と彼女らを喰らう『ジェヴォーダンの獣』
「今夜オオカミが来るというのは、本当かい?」
猟師は六人いる赤ずきんの二人「バラずきん」と「紅茶ずきん」と接触することになるのだが、彼女らはすでに死ぬことが当たり前のように思っていた。
猟師はそんな赤ずきんたちを助けたいと思い……、「バラずきん」もまた、猟師を信用し、彼と一緒に魔女の塔にて籠城することを決意することになり……。
そうして私は「バラずきん」と「紅茶ずきん」をはじめ、「リンゴずきん」、「ザクロずきん」、「チューリップずきん」、そして「ツバキずきん」を引き連れて魔女の塔を目指すことになります。
ジェヴォーダンに追跡されないよう「バラずきん」の秘薬である、あらゆるものの匂いを消した状態で……。
私は少なくともその時、時間は稼げると思っていた。
想像を遙かに超えた怪物『ジェヴォーダンの獣』の襲撃と裏切り者の発覚!?
「耳取り鼻剥ぎの魔女」
それがこの塔にいた魔女であり、女の子を攫ってはその耳を取って、鼻を剥いで殺した魔女のことであるらしい。
そんな塔を目の前にして、突如として『ジェヴォーダンの獣』が襲撃してくることになり……。
それは、荒ぶる雄牛よりも大きく、筋肉質な巨体、そして、尾は人間ほどの長さがあり、知性も兼ね備えている……、まさに”怪物”そのものであった。
また、ジェヴォーダンが現れるのと同時に、私はある疑問に駆られることになる……、それはこの六人の赤ずきんの中に一人裏切り者がいるということを……。
果たして猟師である私は赤ずきんたちを守ることができるのか……、そして、裏切り者を発見することができるのか……、気になった方はぜひ読んでみて下され!
【管理人のオススメ度】
★★★★★★★★☆☆
以上、「六人の赤ずきんは今夜食べられる」の紹介でした。
気になった方はぜひ、読んでみて下さいね。
「ここまで読んでくれた方、ありがとうございました<(_ _)>」