「6番線に春は来る。そして今日、君はいなくなる。」の評価と感想 ありふれた別れに涙が…
「6番線に春は来る。そして今日、君はいなくなる。」というライトノベルをご存じでしょうか?
この作品は、『スニーカー文庫』で出版されているライトノベルです。
ちなみに、「6番線に春は来る。そして今日、君はいなくなる。」は、『朝日新聞』に掲載されていましたよね。
今回は、「6番線に春は来る。そして今日、君はいなくなる。」の評価と感想を紹介していこうと思います。
この機会にぜひ、この作品について知っていただければと思います。
「6番線に春は来る。そして今日、君はいなくなる。」の評価と感想
INDEX
画像は【スニーカー文庫公式twitter】より引用
現実味にありふれていて、読んだ後が切なく、しかしそれでいて納得のいく”別れ”を描いている!
「大澤めぐみ」先生の「6番線に春は来る。そして今日、君はいなくなる。」。
「おにぎりスタッバー」と「ひとくいマンイーター」を読んでいたので、この作品を購入したのですが、やはり購入して良かったと思えるくらいの名作の一冊でした。
この作品は、高校生活の”出会い”と”別れ”に注目し、その中でも、”別れ”によりピックアップした作品となっています。
四人の高校生活に焦点を当てた青春群青劇で、それぞれの四人のエピソードを高校三年間の中に収められています。
なかなか現実味があって、共感できる部分が多かったですよ。
というのも、それぞれ四人が抱いている様々な感情がダイレクトに伝わってきて、感情移入してしまうのではないかと思います。
また、高校生活の”別れ”というのは、ありふれていて皆様も一度は、経験したことがあるのではないでしょうか?
やはりそういった共感できる部分と身近に感じる部分があったからこそ、最後まで納得のできる作品でしたし、読んでいない方は絶対に読んで欲しいと思いましたね。
ラストも切なく、涙が出そうになるのですが、それでいて納得のいく終わり方だったので、後味残さず、スッキリした作品でした。
こ、こ、これは”名作”の予感……?
イラストに関して、イラストレーターは「もりちか」先生が担当しています。
なんかどこかの高校に居そうって感じの四人なんです。
個人的に注目したのは、高校一年生の時の「郷津香衣」と卒業間近の「郷津香衣」のイラストで、高校生の時と比べて、少し大人びている感じがしっかりと描かれており、「美人だなぁ~」と思いながら読んでいました。
そんな「6番線に春は来る。そして今日、君はいなくなる。」の評価は、10点中10点です。
ここから「6番線に春は来る。そして今日、君はいなくなる。」の主なストーリー、登場人物の紹介をしていきます。
「6番線に春は来る。そして今日、君はいなくなる。」の主なストーリー
朝のホームには別れの気配が満ちている。
『捧高(ささこう)』の一年生「郷津香衣」、彼女は高校に入学して、びっくりするくらい友達が出来なくて、おそらく「峯村セリカ」くらいしか弁当を一緒に食べる友達がいないかもしれない。
でも、そんな「セリカ」は、”友達”という関係とは少し遠くて、「香衣」は彼女の電話番号も知らなければ、勉強の事以外について話すこともほぼなかった。
また、「香衣」自身も「セリカ」にそこまで踏み込んだ話を持ち掛けることもなかった。
そんなある日、突然「セリカ」から放課後に時間があったら付き合ってもらえない的なお誘いを受けるのだが……。
「香衣」と放課後一緒に遊びに行くわけでもなく、個人面談があるから、しばらく一緒に勉強しないか……、とのことであった。
でも、そんな勉強の最中、「セリカ」から好きな人の事について、「香衣」は知ることになります。
「セリカ」の好きな人とは、サッカー部の「諏訪隆生」という名で、一年生にしながら、すでにレギュラーを確保していた爽やか系の男子であった。
好きな人について聞いた「香衣」の反応はというと……。
「え? なんで?」
戸惑いを隠せない「香衣」、なぜなら「諏訪」は、同じ中学校出身で……。
その人はたぶん、わたしの彼氏だった人で、ひょっとしたら今もまだ彼氏なのかもしれない人だったから。
「6番線に春は来る。そして今日、君はいなくなる。」の登場人物
- 「諏訪」の彼女のはずの「郷津香衣(こうづかい)」
- 全国大会に出場するサッカー部のレギュラー「諏訪隆生(すわたかお)」
- 「香衣」に好意を寄せる「丸山龍輝(まるやまりゅうき)」
- 「香衣」の唯一の友人「峯村(みねむら)セリカ」
ここまでが「6番線に春は来る。そして今日、君はいなくなる。」の主なストーリー、登場人物の紹介でした。
「6番線に春は来る。そして今日、君はいなくなる。」どんな展開のストーリー
「6番線に春は来る。そして今日、君はいなくなる。」という作品はどんな展開なのか、簡単に紹介しようかと思います。
「6番線に春は来る。そして今日、君はいなくなる。」の主な内容
やりたいことが見つからず、漠然と都会を夢見る優等生の香衣。サッカー部のエースで香衣の彼氏のはずの隆生。香衣に一目惚れする学内唯一の不良・龍輝。ある秘密を隠すため、香衣の親友を演じるセリカ。4人が互いに抱く、劣等感。憧れ。恋心。後悔。あの駅で思いはすれ違い、一度きりの高校生活はとどまることなく進んでいく。「どうしてすべて手遅れになってからでないと、一番大事なことも言えないんだろう」これは、交錯する別れの物語。
とっくに春は通り過ぎ、俺の隣に「郷津」はいない。
インターハイに出場するくらいの実力を持つ『捧高』のサッカー部、そんな部で唯一、一年生にしながらレギュラーの座を得ることが出来た「諏訪隆夫」。
「諏訪」は、サッカーの練習に明け暮れ、その上、進学校である「捧高」の課題に追われる毎日を過ごしていた。
しかし、そんな追われる高校生活を過ごしている内に、「香衣」とはあまり話さなくなり、すでに高校二年生を迎えてしまっていた。
ある日、「諏訪」は、同じサッカー部の部員から「郷津香衣」と「丸山龍輝」がなんか付き合っているみたいな噂を耳にすることになり……。
メロンが飛ぶのを見たことがあるか?
「丸山龍輝」、彼の家庭は、母親と父親がいつも喧嘩をしている家庭で、おふくろはいつも何かものを投げ、しまいにはメロンを投げる始末であった。
「龍輝」にとって、メロンは崇高にして、畏敬なる存在であって、おふくろがメロンを投げて以来、両親に絶望していた。
当然、毎日両親が喧嘩をしているわけだから、自宅に居られるわけもなく、また、『捧高』のクラスにも馴染む気にもなれなかった。
そんな「丸山龍輝」は、高校一年生の時、冴えない蕎麦屋で「郷津香衣」を見て、一目惚れすることになります。
”天使”がそこにいたのである。
高校生活における”出会い”と”別れ”に焦点を当てた青春群青劇、納得できる”別れ”をぜひ読んで欲しい。
【管理人のオススメ度】
★★★★★★★★★★
以上、「6番線に春は来る。そして今日、君はいなくなる。」についてでした。
1巻完結のライトノベルだと思いますので、ぜひ読んでみて下さいね。
「ここまで読んでくれた方、ありがとうございました<(_ _)>」